はじめに

日本人でも難関の「介護福祉士」ですが、外国人でトライする人たちが増えています。

介護施設の深刻な人手不足は、外国人スタッフに頼らざるを得ない状況となっています。そのため、外国人スタッフのスキルアップは必須です。

在留資格が「特定技能」の「介護」の人が「介護福祉士」に合格できれば、在留資格を「介護」に変更することができます。そうすると、無期限で日本で働くことができるようになります。母国にいる家族も呼べますから、結婚している人は単身赴任でなくなります。子供たちも親と一緒に住めますから、寂しい思いをすることがなくなるでしょう。

最近「特定技能」のほとんどの分野で「2号」が発足しました。2号を取得すると、今までのように最長5年間という期限がなくなります。望めば、ずっと日本で働き続けることが可能です。

今のところ特定技能の「介護」は「2号」がありません。ですから「介護福祉士」に合格することが、ずっと日本で働くことができる唯一の方法です。

ここでは「介護福祉士」になるために役立つ基礎情報をお伝えします。

特定技能「2号」の対象分野が拡大されます!

「特定技能1号」しか許されていなかったほとんどの分野で「特定技能2号」が取得できるようになりました。これにより、高度技術を持つ外国人スタッフが日本でずっと働き…

介護福祉士とは?

介護福祉士は、介護の専門的な知識と技術を持つ人が取得できる国家資格で介護業界のエキスパートです。

病気の人・障害を持つ人・老人など、あらゆる人の介護を行えます。そして、他の介護スタッフを「指導」することもできます。つまり「リーダー」として働くことができます。

実際、病人や老人の介護に必要なのが「痰の吸引」ですが、これは「医療行為」なのでその資格を持つ人しか行うことができません。介護福祉士になると、痰の吸引を行うことができます。

介護福祉士の試験は、厚生労働省が認定している「指定試験機関」で実施されています。必要な情報はこちらのサイトから取得できます。

参照:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

介護福祉士になるルート

特定技能「介護」外国人の場合は、下の図のように「実務経験ルート」になります。実務経験ルートの場合は、2つの条件にあてはまっていることが条件です。

1:実務経験3年以上、実務者研修を受けた人
2:実務経験3年以上、介護職員基礎研修と痰吸引等の研修をした人

この条件に当てはまっている人は「筆記試験」を受けることができます。その際「実技試験」は免除されます。

外国人の合格率はどのくらい?

令和5年3月発表の第35回の試験結果は以下のとおりです。参照:厚生労働省

EPA(経済連携協定)で来日していた「介護福祉士候補者」(インドネシア・フィリピン・ベトナム)で合格できたのは754人、
合格率は65.4%と半数を超えています!

「介護福祉士候補者」として来日している人たちですから、もともと介護のスキルが高い人たちです。ですが、試験は日本語(外国語)ですから皆さんの努力はたいへん素晴らしいといえます。

特定技能」の「介護」で働いている人たちの場合は、介護経験が少なく日本語レベルもそれほど高くありません。ですが、在留期間5年の間に介護スキルと日本語レベルを向上すれば、介護福祉士になれる可能性は十分にあります。

とはいえ、かなり本人の真剣度が試されます。介護施設側のサポートも重要な鍵となります。

「介護福祉士」になった外国人スタッフの例

インドネシア出身の女性で、介護福祉士として活躍している方がいます。

技能実習生として来日して5年間働き、介護の技術と日本語を学びました。介護施設の入所者さんとのコミュニケーションはとても上手で、思いやり深い接し方はとても素晴らしいです。

介護福祉士を目指していた時は、帰宅後に2,3時間日本語の勉強をしていたそうです。これは本当に大変な努力です。今では彼女の真面目な働きが認められ、リーダーとして任されるほどにもなりました。

本人の努力はもちろんですが、施設側の手厚いサポートのおかげで達成できたことと言えるでしょう!

受け入れ施設側ができること

外国人介護スタッフをどのようにサポートしたら良いのか、施設側も情報とノウハウを知ることが必要です。国際厚生事業団のサイトは、あらゆる情報を発信していていますのでとても役立ちます。参照:国際厚生事業団

このサイトでは「介護福祉士」を目指す外国人に向けた役立つサポート情報が発信されています。

介護の学習用にはどの教材を使えば良いか、日本語学習用にはどの教材を使えば良いか、役立つ交流会の開催、分からないことを相談できる窓口など、おそらく知りたい情報はここにありますので、まずはこちらのサイトを見てみてください。

Facebookでも情報発信されています。こちらも参照してみてください。外国人介護人材相談サポート

おわりに

 やる気に満ちてホスピタリティの精神を持つ外国人介護スタッフがたくさんいます。人材不足の今、非常に貴重な存在です。彼らが「介護福祉士」になってずっと働くことができるように、施設側のサポートも重要な鍵となります。必要な情報はたくさんありますから、上手に活用していかれることをお勧めします!