はじめに

日本が抱える「少子高齢化」問題についてはよくご存じだと思います。今後この問題がどのように深刻化していくのか、内閣府の立てた予想をもとに考えていきたいと思います。

参考資料:内閣府 総務省

人口減少はどうなっていくのか?

下のグラフをご覧ください。

出典:総務省

2010~約10年間の人口減少は一目瞭然です。2010年の人口は、1億2800万人以上いました。現在(2022年8月)は、1億2478万人に減っています。(総務省データ

今後はどうなるのでしょうか?今後もどんどん減り続けてゆきます。内閣府の予想では、2029年に1億2,000万人、2053年に9,924万人、2065年に8,808万人に減少してゆくとのことです。近い将来、日本の人口は1億人を切ってしまうわけですね。

高齢化はどうなっていくのか

下のグラフの赤線の部分をご覧ください。

出典:内閣府

65歳以上の人たちの人口比率は、今後どんどん上昇していきます。日本の人口は減っていきますが、高齢化率はどんどん上がっていきます。

2022年現在、高齢者の占める割合は30%に近づいています。2025年に30%を超え、2036年には33.3%に達するとされています。つまり、3人に1人が高齢者という社会に突入するわけです。

その後も高齢化率は上昇し、40%に近づいていきます。2065年には38.4%、2.6人に1人という割合になります。この時、75歳以上が占めるのは25.5%、約3.9人に1人の割合となります。

見渡せば高齢者ばかり、という超高齢化社会になるのです。これは深刻な問題です。

若い人の割合はどうなっていくのか

現役世代(15~64歳)の変化はどうでしょうか。下の表の緑の線を見てください。

出典:内閣府

高齢者の割合が増大するのに対し、現役世代の割合はかなり低いところに留まったままで上昇していきません。

2020年の現役世代が高齢者を支える割合は、2人に1人です。今後、2025年からは2人を割り1.9人となり、2035年は1.7人、2040年は1.4人、2065年は1.3人にまで下がってしまいます。

1970年ころは、高齢者1人に対して現役世代が10人近くいました。今後は高齢者を支える現役世代が激減していきます。高齢者サポートの人材不足が、どんどん深刻化するでしょう。

今後の出生率・出生数はどうなっていくのか

下のグラフの赤線の出生率を見てみましょう。

出典:内閣府

出生率は、今後もずっと低い水準を保った状態が予想されています。

2020年の出生数は約90万人ですが、2065年には約56万人にまで減ってしまいます。2006年から2010年は100万人を保っていましたから、比べると半分近くにまで減少してしまいます。

一方、高齢者の死亡率は上がってゆきます。そのため、日本の人口がどんどん減ってゆくことになります。

高齢者の平均寿命はどうなってゆくか

下のグラフをご覧ください。

出典:内閣府

男女ともに、平均寿命は緩やかに上昇を続けてゆきます。

2020年で、男性81.34歳、女性は87.64歳です。2050年は、女性が90歳に達し、男性も84.02歳です。そして、2065年に女性は91.35歳、男性は84.95歳にまで伸びてゆきます。

医療の発展や健康的な生活のおかげで、平均寿命が伸びることは素晴らしいことです。ですが、高齢者と若い人のバランスが悪すぎるため、お世話が必要な高齢者に手が回らないという事態になることは確実です。

おわりに

日本は「人生100年時代」と言われています。楽しく老後を過ごす人たちが増える一方、現役世代の減少で様々な分野での人手不足が深刻化しています。今後は、現役世代の外国人雇用が現実的な選択肢の一つとなってゆくでしょう。