
はじめに
外国人が介護スタッフとして働くための在留資格の1つは、「特定技能」の「介護」です。この資格を取得するには、試験に合格しなければなりません。ここでは、試験に関する基本情報をお伝えします。
参考ページ:厚生労働省
特定技能「介護」ー 受ける試験は3つ!
特定技能「介護」を取得するには、以下の3つの試験を受けなければなりません。
① 介護技能評価試験
② 介護日本語評価試験
③ 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-basic)
日本語能力試験(JLPT)N4以上
のどちらかを選択
*以下の人たちはこれらの試験は免除されます。
・介護職の第2号技能実習を良好に修了した人
・介護福祉士養成施設を修了した人
・EPA介護福祉士候補者として在留期間(4年間)満了した人
①介護技能評価試験 ②介護日本語評価試験について
①介護技能評価試験と、②介護日本語評価試験の概要は以下のとおりです。
①介護技能評価試験は60分、学科試験は40問、実技試験は5問です。
②介護日本語評価試験は30分、全15問です。
どちらの試験も、CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式で行われます。
合格基準は、総得点の60%以上となります。受験できる年齢は17歳以上(インドネシアは18歳)です。
受験できる言語は、日本語・英語・ベトナム語・インドネシア語・タイ語・ビルマ語・モンゴル語・ネパール語・クメール語・中国語・ウズベク語の11言語です。(2022年時点)
試験結果は、試験終了後に会場の画面に表示されます。
*試験問題のサンプルがありますので、見ておきましょう。
①介護技能試験(サンプル問題)②介護日本語評価試験(サンプル問題)
試験日と会場はどこ?
①介護技能試験 ②介護日本語評価試験は、日本国内と海外の両方で実施されています。試験の実施日と会場などの情報は、プロメトリック社のHPに掲載されています。

国内の試験会場のリストはこちらから検索できます。全国で実施されています。

海外で実施される試験の日程はこちらから確認できます。現在、カンボジア、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ、スリランカ、インド、ウズベキスタンで実施されています。

試験の申し込み方法は?
こちらのページから、試験の申し込みを行います。受験したい国を選択すると、下記のページが開きます。このページ内に、試験に関する詳細事項が記されています。

申し込みする際は、まずIDを取得して、それからログインする必要があります。

③日本語試験について
①②の試験以外に、③日本語のテストを受ける必要があります。日本語の試験は3種類あり、どれか1つを選択できます。それぞれの試験で、合格の表記が異なっています。
特定技能「介護」に必要なレベルは、
・JFT-basic A2
・JLPT N4以上
となります。これは、基本的な日常会話ができるというレベルです。
毎回「通訳」が必要ではありませんが、難しい表現は理解できないかもしれません。漢字の読み書きも難しいかもしれません。ですから「やさしい日本語」を使ってコミュニケーションを取ることが必要となります。
実際のところ多くの介護施設が求めているのは、会話が上手な人・記録が取れる人です。JLPTのレベルで言うとN3以上に相当する人です。N2レベルあるとかなりスムーズに会話ができますし、記録を取れる人も多くなります。
とはいえ、最初からハードルを上げてしまうと人材の確保が難しくなります。ですから、日本語教育サポートをしっかりと行なって、言語のレベルアップを継続的に支援してあげることが重要となります。
③日本語試験の日程と会場は?
それぞれの試験のHPから、日程と会場を確認してください。
JFT-basic
JFT-Basicは、日本国内と海外両方で実施されています。こちらのページでチェックできます。

JLPT
JLPTも、日本国内と海外の両方で実施されています。ですが、国内の試験日は年に2回です。海外の場合は、年に1回だけの国もあります。

特定技能「介護」ー 試験勉強に役立つ教材は?
日本介護福祉士会出版の「介護の特定技能評価試験」というテキストが、特定技能「介護」取得のために準備されています。多言語展開(日本語・英語・クメール語・インドネシア語・ネパール語・モンゴル語・ビルマ語・ベトナム語・中国語)されており、無料でダウンロードできます。(出版・販売はされていません)

「にほんごをまなぼう」というサイトから、このテキストを見ることができます。ぜひチェックしてみてください。
おわりに

ここでは、特定技能「介護」資格取得のための試験情報をお伝えしました。
日本で介護スタッフとして働きたい外国人は大勢います。日本の介護施設も、人手不足のために外国人スタッフを必要としています。
外国人にとって「日本語」を学ぶことは難しいチャレンジです。介護の専門用語も覚えなければなりませんし、漢字も覚えなければなりません。ですから、日本語学習のサポートに力を注いであげましょう!